PCX160とADV160を徹底比較!違いと選び方のポイントを解説

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PCX160とADV160を徹底比較!違いと選び方のポイントを解説

ホンダの人気軽二輪スクーター、PCX160とADV160。街でその姿を見ない日はないほどの人気を誇るPCXと、冒険心をくすぐる個性的なスタイルでファンを魅了するADV。同じエンジンを積みながらも、その性格は全く異なります。

「どちらも魅力的だけど、決定的な違いが分からず決め手に欠ける…」そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。今回のPCXとADVの比較記事では、多くの方が気になる乗り心地やサイズ、燃費といった基本スペックから、ツーリングや日常使いでの利便性まで、あらゆる角度から徹底的に掘り下げていきます。

この記事を最後まで読めば、あなたの価値観やバイクライフに本当にフィットする一台が、きっと明確になるはずです。

記事のポイント
  • PCX160とADV160のスペックやデザインの具体的な違い
  • 街乗りやツーリングにおける乗り心地と走行性能の差
  • 積載性や燃費など実用面でのメリット・デメリット
  • それぞれのモデルがどんな人におすすめなのか

PCXとADVを比較:基本スペックとデザイン

PCXとADVを比較:基本スペックとデザイン
HONDA
  • ADV160とPCX160のサイズを比較
  • 個性が光るADV160アドベンチャー仕様
  • 価格と燃費のコストパフォーマンスは?
  • メーター周りと操作性の違いを解説
  • シート下の収納力に差はあるのか

ADV160とPCX160のサイズを比較

PCX160とADV160を選ぶ上で、まず基本となるのが車体のサイズです。デザインから受ける印象ではADV160の方が大きく感じられますが、実際のスペックにはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、両車の主要な寸法を比較し、それぞれの数値がライディングにどう影響するのかを詳しく見ていきましょう。(出典:Honda公式サイト PCX諸元Honda公式サイト ADV160諸元

最低地上高シート高は、乗り心地や足つき性に直結する重要なポイントですね。特にオフロードテイストのADV160は、悪路走破性を意識して地上高が高めに設定されています。この差がキャラクターの違いを明確にしています。

項目PCX160ADV160
全長1,935mm1,950mm+15mm
全幅740mm760mm+20mm
全高1,105mm1,195mm+90mm
ホイールベース1,315mm1,325mm+10mm
最低地上高135mm165mm+30mm
シート高764mm780mm+16mm
車両重量133kg136kg+3kg

表の通り、全ての数値でADV160がPCX160を上回っています。特に目を引くのは最低地上高の+30mmという差です。これはADV160が持つアドベンチャーコンセプトの核となる部分で、歩道の段差やキャンプ場の未舗装路など、通常スクーターが苦手とする場面での走破性を大きく向上させています。

一方で、シート高も16mm高くなっているため、小柄な方は足つき性が気になるかもしれません。身長160cmの方だと両足のつま先がしっかりと着く程度、170cm以上の方であれば不安は少ないでしょう。ただし、ADV160はシート前方の角が絞り込まれた形状になっており、足を真っ直ぐ下ろしやすいため、スペックの数値ほど足つき性は悪くないという意見も多く聞かれます。こればかりは体格による個人差が大きいため、購入前には必ず実車に跨ってみることを強くおすすめします。

その他の数値が与える影響

  • 全長とホイールベース:ADV160の方がわずかに長く、高速走行時の直進安定性に寄与します。逆にPCX160は、よりコンパクトなため市街地での小回りが得意です。
  • 全幅:ADV160はハンドル幅が広いため、オフロードバイクのような抑えの効いた操作が可能です。一方で、PCX160はすり抜けなどで有利になる場面もあります。
  • 車両重量:3kgの差は取り回しで体感できるほどの違いではありませんが、わずかながら燃費や加速性能に影響を与えます。

個性が光るADV160アドベンチャー仕様

個性が光るADV160アドベンチャー仕様
HONDA

PCX160とADV160の最大の違いであり、購入の決め手となるのが、そのデザインコンセプトです。両車は同じ「eSP+」エンジンとフレームの基本部分を共有する兄弟車でありながら、外観から受ける印象、そして目指す世界観は全く異なります。

PCX160:流麗で上質なシティコミューター

PCX160は、「Personal Comfort Saloon」をコンセプトに開発された、洗練された都会派スクーターです。全体のデザインは流れるような一体感のあるスタイリングで構成されており、どの角度から見ても美しく、上質感が漂います。特に、LEDを採用したヘッドライトからボディサイド、テールランプへと続くラインは伸びやかで、所有する喜びを満たしてくれます。通勤・通学といった日常の移動を、ワンランク上の快適でスマートな時間に変えてくれる。それがPCX160のデザインが持つ力です。

ADV160:タフで機能的なシティアドベンチャー

一方、ADV160は「限界を超えていく存在」をテーマにした「シティアドベンチャー」という新しいジャンルを切り開いたモデルです。そのデザインは兄貴分である「X-ADV」のイメージを踏襲し、日常の移動から週末の非日常な冒険までを想起させる、タフで機能的なものとなっています。

ADV160を構成する機能的デザイン

  • フロントマスク:ロボットアニメを彷彿とさせる角張ったデザインと吊り上がった二眼LEDヘッドライトが、力強く精悍な印象を与えます。
  • テーパーバーハンドル:オフロードバイクにも採用される剛性の高いハンドル。見た目のタフさだけでなく、ダイレクトなハンドリングにも貢献します。
  • 2段階可変スクリーン:工具を使わずに高さを調整可能。街乗りでは低くして開放感を、高速走行では高くして防風性能を高めるなど、機能性に優れています。
  • ブロックパターンタイヤ:専用開発されたタイヤは、アスファルトでのグリップを確保しつつ、ちょっとしたダートならこなせる走破性を両立します。
  • リザーバータンク付きリアサス:ゴールドに輝くSHOWA製のサスペンションは、見た目のアクセントとしてだけでなく、路面追従性の高いスポーティーな走りを支える機能部品です。

「多くの人に愛される優等生」がPCX160なら、「唯一無二の個性で魅了する冒険家」がADV160と言えるでしょう。街中で頻繁に見かけるPCXとは違い、被りにくい個性的な一台を求める方には、ADV160のデザインは非常に魅力的に映るはずです。

価格と燃費のコストパフォーマンスは?

バイク選びにおいて、車両価格やランニングコストは非常に重要な判断材料です。ここでは、PCX160とADV160の価格と燃費を比較し、それぞれのコストパフォーマンスについて深く掘り下げてみましょう。

車両価格の比較

まず、メーカー希望小売価格(消費税10%込み)は以下の通りです。(2025年9月時点)

  • PCX160:423,500円
  • ADV160:473,000円

価格差はちょうど49,500円で、ADV160の方が高価に設定されています。この価格差は、前述したADV160専用の装備、特にストロークの長い前後サスペンションや2段階可変スクリーン、専用デザインの外装パーツなどに充てられていると考えられます。つまり、約5万円の追加投資で、標準的なスクーターにはない「冒険性能」と「個性的なスタイル」が手に入ると言い換えられます。

乗り出し価格を考慮しよう
上記の価格はあくまで車両本体の価格です。実際に公道を走るためには、これに加えて自賠責保険料、重量税、登録諸費用などが必要になります。購入時には、これらの費用を含めた「乗り出し価格」で見積もりを取ることが重要です。

燃費性能と維持費の比較

次に、カタログに記載されているWMTCモード値での燃費を比較します。WMTCモードとは、実際の走行パターンに近い国際基準の測定方法です。(参考:JAMA – 二輪車の燃費(WMTCモード値)表示について

  • PCX160:43.7km/L
  • ADV160:42.0km/L

燃費性能では、PCX160がADV160を約4%上回っています。ADV160は車両重量が3kg重いことや、転がり抵抗の大きいブロックパターンタイヤを装着していることなどが主な要因です。

この差が実際のガソリン代にどれくらい影響するか、シミュレーションしてみましょう。

年間5,000km走行時のガソリン代比較(ガソリン価格170円/Lで計算)

  • PCX160:5,000km ÷ 43.7km/L × 170円/L ≒ 19,450円
  • ADV160:5,000km ÷ 42.0km/L × 170円/L ≒ 20,238円

年間の差額は約788円となります。

シミュレーションの通り、年間のガソリン代の差はそれほど大きくありません。初期費用の約5万円の差をどう捉えるかが、コストパフォーマンスを判断する上での最大のポイントとなりそうです。快適性と経済性を最優先するならPCX160、スタイルや走りの楽しさ、冒険できる領域の広がりという価値に魅力を感じるならADV160が、それぞれ納得のいく選択となるでしょう。

メーター周りと操作性の違いを解説

メーター周りと操作性の違いを解説
HONDA
メーター周りと操作性の違いを解説
HONDA

上:PCX160 下:ADV160

ライダーが走行中に常に視線を送るメーターパネルや、直接操作するハンドル周りは、バイクとの一体感を左右する重要なインターフェースです。ここでも両車のキャラクターは明確に異なっています。

PCX160のメーターは、車体のデザインと一体化した、ワイドでスタイリッシュな反転表示液晶ディスプレイを採用しています。中央にスピードメーターを大きく配置し、その両脇に燃料計や時計、平均燃費計、オド/トリップメーターなどがシンメトリーに美しく並びます。視認性が高いだけでなく、上質で落ち着いたコクピット空間を演出しており、夜間の視認性も良好です。ハンドルもカバーで覆われており、全体的にスッキリとした印象を与えます。

対照的に、ADV160はオフロードバイクやアドベンチャーバイクで多く見られる、スクエア形状の独立したメーターパネルと、むき出しのテーパーバーハンドルが最大の特徴です。この組み合わせが、ライダーに「マシンを操っている」という感覚を強く与えます。メーター内には、基本的な情報に加えてエンジン回転数を表示するタコメーターや外気温計も装備されており、より多くの情報を把握しながら走りたいライダーの要求に応えます。ハンドルがラバーを介さず直接固定されるリジッドマウント方式のため、路面からのフィードバックがダイレクトに伝わり、スポーティーなライディングをサポートします。

操作性に関わる共通の先進装備

  • Honda SMART Keyシステム:キーを携帯しているだけでイグニッションのON/OFFやシート、給油口の解錠が可能なスマートキーを両車ともに標準装備。アンサーバック機能も付いており、広い駐輪場でも自車を見つけやすいです。
  • USBソケット:フロント左側のインナーボックス内には、スマートフォンの充電に便利なUSBソケット(Type-A)が標準装備されています。

どちらのメーターが見やすいか、どちらのハンドルポジションが自然に感じるかは、まさに十人十色です。PCX160が提供するセダンのような包み込まれる安心感か、それともADV160がもたらすバイクらしいダイレクトな操作感か。ここはぜひ実車に触れて、ご自身の感性に合う方を選んでください。

シート下の収納力に差はあるのか

スクーターが持つ最大の魅力の一つが、シート下のラゲッジスペースです。ヘルメットや手荷物をスマートに収納できるかどうかは、日常の利便性を大きく左右します。PCX160とADV160では、容量や形状に無視できない違いが存在します。

まず、ホンダの公式資料によると、カタログ上のラゲッジボックス容量は以下の通りです。

  • PCX160:約30L
  • ADV160:約29L

容量だけで見ると、その差はわずか1Lで、PCX160がわずかに上回る程度です。しかし、実際に使い勝手に大きく影響するのは、容量の数字以上に「内部の形状」です。ここが両車を選ぶ上での非常に重要な分かれ道となります。

特にヘルメットの収納を考えている方は要注意です!お持ちのヘルメットが入るかどうかは、購入前に必ず確認してくださいね。

PCX160のラゲッジボックスは、底面が比較的フラットで広々とした空間が確保されています。このため、ヘルメットだけでなく、A4サイズのファイルが入ったビジネスバッグや、買い物の荷物などもスムーズに収納できます。日常のあらゆるシーンに対応できる、非常に汎用性の高い設計と言えるでしょう。

一方、ADV160のラゲッジボックスは、底面の中央部分が大きく盛り上がった「キックバック形状」になっています。これは車体設計やリアサスペンションの配置によるものですが、この凹凸によって収納できる物が大きく制限されます。ユーザーレビューなどを見ても、多くのメーカーのフルフェイスヘルメットは収納が難しいという声が大半です。ジェットヘルメットも種類によっては干渉することがあります。

ADV160でヘルメットを収納したい場合
ADV160でヘルメットの収納を確保したい場合は、リアキャリアとトップケース(リアボックス)を追加で装着するのが最も確実な解決策となります。多くのADV160オーナーがトップケースを装着しており、これにより積載性の問題は大幅に改善されます。

まとめると、手ぶらで出かけたい、ヘルメットをスマートに収納したいといったスクーターらしい利便性を最優先するならPCX160が、積載性はトップケースなどで拡張することを前提に、スタイルや走りを重視するならADV160が適していると言えます。

走りで選ぶ!PCXとADVを比較

走りで選ぶ!PCXとADVを比較
HONDA
  • 街乗りでのPCXとADVの乗り心地
  • PCXとADV160の動力性能をチェック
  • 高速ツーリングでの安定性は?
  • ADV160購入後に後悔しないために
  • なぜAdv160は生産終了と噂される?
  • あなたに合う一台は?PCX ADV 比較

街乗りでのPCXとADVの乗り心地

通勤や通学、買い物といった日常のシーンで、バイクは最も多くの時間を過ごします。そのため、街乗りでの乗り心地はバイク選びにおいて極めて重要な要素です。ここでは、両車のキャラクターが色濃く反映される乗り味の違いについて、深く掘り下げていきます。

結論から言うと、快適性、静粛性、滑らかさを最優先するならば、選択肢はPCX160一択と言っても過言ではありません。PCX160のサスペンションは、路面の細かな凹凸やマンホールなどの段差を乗り越える際の衝撃を「スッ」と吸収し、ライダーに不快な振動をほとんど伝えません。まるで地面から数センチ浮いているかのような、あるいは上質な絨毯の上を滑るようなスムーズな走り心地は、まさに「パーソナル・コンフォート・サルーン」の名にふさわしいものです。この乗り心地は、長時間の運転でも疲れにくく、日々の移動を快適な時間に変えてくれます。

一方、ADV160の乗り心地は、PCX160と比較すると明らかに硬質でスポーティーです。これはネガティブな意味ではなく、バイクが本来持つ「操る楽しさ」を重視した結果のセッティングと言えます。

ADV160のスポーティーな乗り心地を生む要因

  • ロングストロークサスペンション:フロント130mm、リア110mmという長いストロークを持つサスペンションが、大きなギャップでもしっかりと路面を捉えます。
  • SHOWA製リザーバータンク付きリアダンパー:安定した減衰力を発揮し、コーナリング時などの高い負荷がかかる場面でも車体の安定性に貢献します。
  • 剛性の高いリジッドマウントハンドル:路面からの情報をダイレクトにライダーに伝え、キビキビとした軽快なハンドリングを実現します。

これらの特徴により、ADV160はライダーの入力に対して俊敏に反応し、交差点を一つ曲がるだけでも楽しさを感じさせてくれます。しかしその反面、街中の小さな段差ではゴツゴツとした正直な突き上げを感じやすいのも事実です。このダイレクトな乗り味を「バイクらしくて楽しい」と感じるか、「快適性が低くて疲れる」と感じるかで、評価は大きく分かれるでしょう。どちらが良い悪いではなく、ライダーがスクーターに何を求めるかの違いです。

PCXとADV160の動力性能をチェック

心臓部であるエンジンは、PCX160とADV160ともに「eSP+(イーエスピープラス)」と呼ばれる、高出力と優れた環境性能を両立した水冷4ストローク単気筒156ccエンジンを搭載しています。最高出力や最大トルクといったカタログスペック上の数値は全く同じです。

項目PCX160 / ADV160 共通
エンジン種類水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒
総排気量156cm³
最高出力12kW (16PS) / 8,500rpm
最大トルク15N・m (1.5kgf・m) / 6,500rpm

しかし、全く同じハードウェアを搭載していても、実際にアクセルを開けた際のフィーリングは明確に異なります。これは主に、エンジンの力を後輪に伝えるCVT(無段変速機)のセッティングや、吸排気系の違いによるものです。

PCX160は、どこまでも滑らかでジェントルな加速が真骨頂です。アクセル操作に対して非常にリニアに反応し、エンジン音も静かなまま、気づけばスルスルと目標の速度に達しています。市街地でのストップ&ゴーが続く場面でも、ギクシャクすることなく極めてスムーズに走行できるため、ライダーにも同乗者にもストレスを与えません。

対照的にADV160は、PCX160に比べて発進時や低中速域でのパンチが強く、よりダイレクトで元気な加速感を味わえるセッティングになっています。アクセルを開けた瞬間のツキが良く、車体を前に押し出す感覚が強いため、ライダーをやる気にさせてくれます。このスポーティーで躍動感のある加速フィーリングこそがADV160の大きな魅力であり、アドベンチャーという名にふさわしいキャラクターを演出しています。

雨の日も安心の「HSTC」を標準装備
両車ともに、後輪への駆動力レベルを制御してスリップを抑制する「Hondaセレクタブルトルクコントロール(HSTC)」を標準装備しています。雨の日のマンホールや白線、未舗装路など、滑りやすい路面状況でライダーに大きな安心感をもたらしてくれる先進の安全装備です。手元のスイッチでON/OFFの切り替えも可能です。

高速ツーリングでの安定性は?

高速ツーリングでの安定性は?
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125ccクラスにはない大きなアドバンテージ、それが高速道路を走行できることです。週末のツーリングなどで高速道路の利用を考えている方にとって、高速巡航時の安定性や快適性は非常に重要な比較ポイントになります。

まず動力性能に関して言えば、両車ともに高速道路の本線へスムーズに合流できるだけの加速力を持っています。最高速はおおよそ110km/hあたりが上限とされており、法定速度内での巡航は全く問題ありません。ただ、エンジンにはあまり余裕がないため、追い越しなどを考えると80km/hから100km/hの速度域で巡航するのが最も快適と言えるでしょう。

高速走行時の快適性を大きく左右する要素が、走行風からライダーを守る「防風性能」です。ここで両車の装備の違いが明確に現れます。

PCX160のスクリーンは、デザイン性を重視した比較的小型なものが装着されています。そのため、胸から上、特にヘルメット周辺には走行風が直接当たります。短時間の走行なら問題ありませんが、長時間の高速巡航では風圧による疲労が蓄積しやすくなります。より高い快適性を求める場合は、社外品として販売されている大型のロングスクリーンへの交換が非常に効果的です。

一方、ADV160は手動で2段階(約7cm)に高さを調整できる大型のウインドスクリーンを標準で装備しています。これは高速ツーリングにおいて絶大な効果を発揮します。スクリーンをハイポジションに設定することで、ヘルメットに当たる風を大幅に軽減し、風切り音も減少するため、疲労度が全く異なります。工具不要で簡単に調整できるため、市街地と高速道路で気軽に使い分けられる点は、PCX160にはない大きなアドバンテージです。

高速走行時の振動とタイヤの影響
一部のユーザーレビューでは、ADV160は100km/h付近の高速域でハンドルに微振動が発生するという報告があります。これはリジッドマウントハンドルやブロックパターンタイヤの影響も考えられます。対照的に、PCX160の方が振動は少なく快適という意見が多く見られます。また、ADV160のブロックパターンタイヤは、オンロードタイヤに比べて高速走行時のロードノイズがやや大きくなる傾向があります。高速道路をメインで長時間利用する方は、この点も考慮に入れると良いかもしれません。

ADV160購入後に後悔しないために

個性的なアドベンチャースタイルとスポーティーな走りで多くのライダーを魅了するADV160ですが、その独特のキャラクターゆえに、購入してから「自分の使い方には合わなかった」と感じてしまう可能性もゼロではありません。ここでは、ADV160を選ぶ際に事前に理解しておくべき注意点を正直にお伝えします。

どんなバイクにも長所と短所があります。短所をしっかり理解した上で選べば、後悔のないバイク選びができますよ!

  1. 硬めの乗り心地は「快適」ではない これまで何度も述べてきた通り、ADV160のサスペンションはスポーティーな設定で硬めです。このキビキビとした乗り味はコーナリングなどで楽しさを発揮しますが、PCXのようなフワフワとした快適性を期待していると、街中での細かな突き上げ感が不快に感じる可能性があります。「スクーター=快適な乗り物」というイメージだけで選ぶと、ミスマッチが起こりやすいポイントです。
  2. シート下収納は「形状」に難あり 容量は29Lと十分なスペックですが、底面がフラットではないため、収納できる物の形状が限られます。特にフルフェイスヘルメットの収納を最優先する方は、購入前にご自身のヘルメットが収納可能か実車で確認するか、トップケースの増設を必須のカスタムとして予算に組み込んでおく必要があります。
  3. アドベンチャーだが「本格オフロード」は走れない タフな見た目から本格的なオフロード走行を期待するかもしれませんが、ADV160はあくまで「アドベンチャーテイストのスクーター」です。最低地上高は高いものの、本格的な林道やガレ場を走行するための車体剛性やサスペンション性能は備えていません。楽しめるのは、キャンプ場内のフラットダートや、整備された砂利道程度と考えておくのが賢明です。

ADV160は「快適な移動手段」というスクーターの基本的な価値に加え、「走りを楽しむ趣味の乗り物」という側面が非常に強いバイクです。このユニークな特性を深く理解し、その価値に共感できる方にとっては、他のどのバイクにも代えがたい最高の相棒となってくれるでしょう。

なぜAdv160は生産終了と噂される?

インターネットの掲示板やSNSなどで、「ADV160がもうすぐ生産終了するのではないか」といった噂を見かけることがあります。これだけ人気のモデルであるにもかかわらず、なぜこのような話が出てくるのでしょうか。不安に感じている方もいるかもしれません。

まず結論から申し上げると、2025年9月現在、ホンダからADV160の生産終了に関する公式なアナウンスは一切ありません。ADV160は2023年1月にADV150からフルモデルチェンジしたばかりの比較的新しいモデルであり、二輪車新聞が公表する販売台数ランキングでも常に上位に入る人気車種です。そのため、現時点ですぐに生産終了となる可能性は極めて低いと考えられます。

では、なぜ生産終了の噂が定期的に浮上するのでしょうか。その背景にはいくつかの理由が考えられます。

生産終了の噂が立つ主な理由

  • 定期的なモデルチェンジへの憶測:日本のバイクメーカーは、おおよそ2〜4年周期でカラーチェンジやマイナーチェンジ、そしてさらに長い周期でフルモデルチェンジを行います。次のモデルへの期待感から、「現行モデルはもう終わりでは?」という憶測がユーザー間で広まることがあります。
  • 厳しい排出ガス規制への対応:世界的に環境規制は年々厳しくなっています。将来的に導入される新しい排出ガス規制(例:ユーロ6など)に対応するため、エンジンなどが大幅に改良されるタイミングがあります。このモデルチェンジを「事実上の生産終了」と捉える方もいます。
  • 一部カラーの生産終了:モデルイヤーの切り替わりに伴い、一部のボディカラーが廃盤になることがあります。これをモデル全体の生産終了と誤解してしまうケースです。
  • 半導体不足などの生産遅延:近年の社会情勢により、部品供給が滞り、一時的に生産が遅れたり停止したりすることがありました。このような状況が「生産終了ではないか」という不安を煽る一因となった可能性も考えられます。

いずれにしても、ADV160はホンダの軽二輪クラスを代表する現役の人気モデルです。不確かな噂に惑わされず、購入を検討している方は安心して計画を進めてください。最新かつ正確な情報は、必ずHondaの公式サイトで確認するようにしましょう。

あなたに合う一台は?PCX ADV 比較

これまでPCX160とADV160のスペック、デザイン、実用性、そして走行性能に至るまで、様々な角度からその違いを徹底的に比較してきました。兄弟車でありながら、ここまでキャラクターが異なる2台。この記事の締めくくりとして、あなたがどちらのバイクを選ぶべきか、最終的な判断の助けとなるよう、それぞれの魅力をまとめます。

  • PCX160は上質な乗り心地とラグジュアリー感を最優先するライダーにおすすめ
  • ADV160は個性的なデザインとアクティブでスポーティーな走りを求める方に最適
  • サイズ感はADV160が全体的に大きいが、実際の取り回しやすさに大きな差はない
  • シート高はADV160の方が16mm高いが、シート形状の工夫により数値ほどの差は感じにくい
  • デザインは流麗で都会的なPCXと、タフで冒険的なADVで好みが明確に分かれる
  • 価格は約5万円の差でPCX160が経済的、この差をADVの専用装備の価値とどう見るかがポイント
  • 燃費性能はPCX160がわずかに優れており、日々のランニングコストを重視するなら有利
  • メーターは洗練された一体型ディスプレイのPCXと、機能的でバイクらしい独立型のADV
  • シート下収納は容量と形状の汎用性でPCX160に軍配が上がる
  • 街乗りでの快適性は路面からの衝撃を巧みにいなすPCX160が圧倒的に優位
  • ADV160はダイレクト感のある硬めの乗り心地で、交差点を曲がるだけでも楽しい
  • エンジンは共通だが、加速フィーリングはジェントルなPCXとパンチのあるADVで味付けが異なる
  • 高速ツーリングでの快適性は、防風性能に優れる2段階可変スクリーンを持つADV160が有利
  • 万人受けする完成度とスクーター本来の利便性を突き詰めるならPCX160
  • 他の人とは違う一台で、移動そのものをアクティビティとして楽しみたいならADV160
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