ハンターカブに普通免許で乗れるのか、気になっている方は多いのではないでしょうか。特に最近、原付に関する法改正のニュースが話題となり、「ついに125ccが普通免許で解禁されるのでは?」という期待が高まっています。しかし、現行の免許制度と新しいルールは少し複雑で、正しく理解しておくことが重要です。
この記事では、ハンターカブに普通免許で乗れるのかという疑問に最新情報でお答えし、法改正で何が変わるのか、その背景から注意点までを深く掘り下げて分かりやすく解説します。
- ハンターカブに必要な免許の現状
- 2025年の法改正で何が変わるのか
- 新基準原付と現行125ccモデルの違い
- 購入前に知っておくべき注意点や費用
ハンターカブは普通免許で乗れる?現行制度を解説

- 現行ハンターカブに必要な免許とは?
- ハンターカブの免許取得にかかる費用
- 購入前に知りたいハンターカブの後悔点
- ハンターカブに250ccモデルは存在しない?
- 【50cc以下】普通免許で乗れるバイク一覧
現行ハンターカブに必要な免許とは?
最初に最も重要な結論からお伝えします。現在の日本の法律では、普通自動車免許だけでホンダのハンターカブ(CT125)を運転することはできません。
その理由は、ハンターカブのエンジン排気量が124ccである点にあります。日本の道路交通法では、バイクの免許区分は排気量によって厳密に定められています。普通自動車免許を取得した際に付帯する原付免許は、あくまで排気量50cc以下の「原動機付自転車(原付一種)」に限られます。
一方、ハンターカブのような51ccから125ccまでのバイクは「原付二種(小型自動二輪車)」というカテゴリに分類されます。
このため、ハンターカブを公道で運転するためには、専用の二輪免許が必須となります。具体的には、「小型限定普通二輪免許」が最低限必要な免許です。もちろん、400ccまで運転可能な「普通二輪免許」や、排気量無制限の「大型二輪免許」をお持ちの方も運転できます。
ハンターカブ運転に必須の免許と注意点
ハンターカブの運転には「小型限定普通二輪免許」以上が必要ですが、一つ注意点があります。それはAT限定免許では運転できないということです。ハンターカブは、スーパーカブシリーズと同様にクラッチレバー操作が不要な「自動遠心クラッチ」を搭載しています。
しかし、シフトペダルによる変速操作は運転者が行うため、免許制度上はマニュアルトランスミッション車(MT車)として扱われます。したがって、AT限定免許では乗ることができず、MT車も運転可能な免許が必要です。
免許の種類 | 運転できる排気量 | ハンターカブの運転可否 |
---|---|---|
普通自動車免許 | 50cc以下 | 不可 |
小型限定普通二輪免許(AT限定) | 125cc以下のAT車 | 不可 |
小型限定普通二輪免許 | 125cc以下のMT車・AT車 | 可能 |
普通二輪免許 | 400cc以下のMT車・AT車 | 可能 |
ハンターカブの免許取得にかかる費用

ハンターカブに乗るために「小型限定普通二輪免許」を取得しようと考えた場合、その費用は現在保有している免許の種類によって大きく異なります。最も一般的なのは、すでに普通自動車免許を持っている方が、指定自動車教習所に通って取得するケースです。
普通免許を持っていると、交通法規などの学科教習がほとんど免제されるため、費用を安く、また時間も短く抑えることが可能です。一方で、運転免許を何も持っていない状態から取得を目指す場合は、学科教習と技能教習の両方をゼロから受ける必要があるため、費用も期間も長くなります。
教習所の料金は地域や時期によって変動しますが、一般的な目安を下の表にまとめてみました。あくまで参考価格として、具体的な料金は近隣の教習所の公式ウェブサイトで確認することをおすすめします。
保有免許 | 教習料金(目安) | 最短取得日数(目安) | 主な教習内容 |
---|---|---|---|
普通自動車免許あり | 約10万円~13万円 | 合宿で約5日~ | 学科1時限・技能10時限 |
免許なし・原付免許のみ | 約17万円~20万円 | 合宿で約8日~ | 学科26時限・技能12時限 |
補足:一発試験という選択肢も
費用を大幅に抑える方法として、教習所に通わず運転免許試験場で直接技能試験を受ける、通称「一発試験」があります。数回で合格できれば費用は数万円で済みますが、試験官による厳格な採点基準があり、合格率は非常に低いのが現状です。
警察庁の運転免許統計(令和5年版)によると、小型二輪免許の指定教習所卒業者の合格率が99%以上であるのに対し、直接受験者の合格率は30%前後と、その難易度の高さがうかがえます。時間と労力を考えると、多くの方にとっては教習所に通う方が確実な選択と言えるでしょう。
購入前に知りたいハンターカブの後悔点
ハンターカブは、そのデザイン性、積載能力、悪路走破性から非常に人気が高く、多くのオーナーから高い評価を得ているバイクです。しかし、すべての人にとって完璧なバイクというわけではありません。購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、ハンターカブの特性として知っておくべき点をいくつかご紹介します。
ハンターカブ購入前に検討すべき3つのポイント
1. 足つき性(シート高):
ハンターカブはオフロード走行も視野に入れた設計のため、最低地上高が確保されており、それに伴いシート高も800mmとやや高めです。身長や体格によっては、停車時に両足の裏が地面にぴったりと着かず、不安を感じる可能性があります。特にバイク初心者の場合、信号待ちや坂道での停車時に不安定さを感じやすいかもしれません。購入を決める前には、必ず販売店で実際にまたがり、足つき性を確認することが非常に重要です。
2. 動力性能と高速道路の走行不可:
124ccのエンジンは街乗りや林道ツーリングでは十分なパワーを発揮しますが、交通量の多いバイパスや流れの速い幹線道路では、もう少しパワーが欲しいと感じる場面があるかもしれません。
また、前述の通り125cc以下のバイクは高速道路や多くの自動車専用道路を走行できません。長距離ツーリングで高速道路を使った移動を考えている方にとっては、大きな制約となります。
3. 長距離走行での快適性:
純正シートは比較的硬めに設計されているため、2~3時間を超えるような長距離ツーリングではお尻が痛くなるという意見が少なからず見られます。もちろん個人差はありますが、もしロングツーリングを主な目的とするのであれば、クッション性の高いカスタムシートへの交換などを検討に入れると良いでしょう。
これらの点は、ハンターカブが持つ「遊びの道具」としてのキャラクターの裏返しでもあります。ご自身の主な利用シーンやバイクに求めるものを明確にし、これらの特性が許容範囲内であるかを見極めることが、満足のいくバイク選びにつながります。
ハンターカブに250ccモデルは存在しない?
「ハンターカブのデザインは大好きだけど、高速道路に乗れないのがネック…」そんな思いから、250ccクラスのハンターカブの登場を望む声は少なくありません。
しかし、2025年9月現在、ホンダの国内外の公式ラインナップに250ccクラスのハンターカブ、あるいはそれに準ずる後継モデルは存在しません。ハンターカブの大きな魅力の一つは、原付二種クラスならではの維持費の安さと、街乗りからアウトドアまでこなせる手軽さにあります。
軽自動車税や任意保険(ファミリーバイク特約の利用)など、250ccクラスと比較して経済的な負担が軽いことが、多くのユーザーに支持されている理由です。
もし、ハンターカブのスタイルに惹かれつつ、高速道路も走行可能なモデルをお探しであれば、同じホンダのラインナップに魅力的な選択肢があります。例えば、本格的なオフロード性能を持つ「CRF250L」や、都会的なスクランブラースタイルの「CL250」などが挙げられます。これらは普通二輪免許が必要になりますが、行動範囲は格段に広がり、ハンターカブとはまた違ったパワフルな走りを楽しむことができますよ。
【50cc以下】普通免許で乗れるバイク一覧
ここで改めて、現行制度で普通自動車免許だけで乗れるバイク、つまり排気量50cc以下の「原付一種」について確認しておきましょう。これらのモデルは、日々の通勤や通学、近所への買い物といった短距離移動の手段として、長年にわたり多くの人々の生活を支えてきました。
代表的なモデルとしては、以下のようなスクーターやビジネスバイクが挙げられます。
- ホンダ スーパーカブ50:日本のビジネスバイクの代名詞。
- ホンダ ジョルノ / タクト:おしゃれなデザインで人気のスクーター。
- ヤマハ JOG / ビーノ:スポーティーさやレトロポップなスタイルが特徴。
- スズキ レッツ / アドレスV50:コンパクトで使い勝手の良いスクーター。
原付一種に課される独自の交通ルール
これらの50ccバイクには、125ccの原付二種にはない独自の交通ルールが適用されることを理解しておく必要があります。
・法定速度:一般道での最高速度は30km/hに制限されます。
・走行車線:原則として、複数車線のある道路では最も左の第一通行帯を走行しなければなりません。
・二段階右折:片側三車線以上の道路など、特定の交差点では、一度直進してから向きを変える二段階右折が義務付けられています。
これらのルールにより、特に交通量の多い幹線道路などでは、周囲の車の流れに乗れず、走りづらさや危険を感じる場面も少なくありません。この点が、よりスムーズに走行できる原付二種クラスの人気が高まっている理由の一つでもあります。
法改正でハンターカブは普通免許で乗れるようになる?

- 注目のハンターカブ新型2025年モデル
- 普通免許で乗れるバイクが125ccに?
- スーパーカブ110も普通免許で乗れる?
- 新基準原付の出力制限と交通ルール
- 結局ハンターカブは普通免許で乗れるのか
注目のハンターカブ新型2025年モデル
近年、バイク業界全体で大きな関心を集めているのが、国際基準(ユーロ5)に準拠した新しい排出ガス規制です。一般社団法人日本自動車工業会(JAMA)によると、この新しい規制は2025年11月から国内の新型車に適用されます。現行の50ccエンジンでこの厳しい基準をクリアするのは、技術的にもコスト的にも極めて困難であることから、多くの50ccモデルが生産終了となる「原付の2025年問題」として知られています。
この社会的なインフラとも言える原付の存続危機に対応するため、業界団体からの要望を受け、国は新しい区分の乗り物を導入する決定を下しました。それが、125ccクラスの車体をベースに出力を制御した「新基準原付」です。
この流れの中で、2025年以降のモデルとして、新基準に適合させたハンターカブが登場するのではないか、という期待が高まっています。現時点でホンダから公式な発表はありませんが、各メーカーがこの新基準に対応したモデルの開発を進めていることは確実であり、今後の新型車情報から目が離せません。

普通免許で乗れるバイクが125ccに?

「普通免許で125ccに乗れるようになる」という話は、この法改正が直接の背景となっています。しかし、この解釈には非常に重要な条件と注意点が伴います。
2025年4月1日から施行された改正道路交通法施行規則により、新たに設けられた「新基準原付」は、普通自動車免許や現行の原付免許で運転することが可能になりました。ただし、その定義は厳密に定められています。
【最重要】新基準原付の定義と大きな誤解
新基準原付は、総排気量125cc以下、かつ、最高出力を4.0kW(約5.4馬力)以下に制御した二輪車と定義されています。
これは、現在流通しているフルパワーの125ccバイク(原付二種)が、ある日突然普通免許で乗れるようになるという意味では全くありません。あくまで、メーカーがこの新基準に合わせて出力を大幅に抑えて開発・販売する、特定の新型モデルに限られる話です。
例えば、現行のホンダ CT125・ハンターカブの公式サイトのスペックを見ると、最高出力は6.7kW[9.1PS]であり、新基準の4.0kWを大幅に上回っています。したがって、法改正後も現行のハンターカブを運転するには、引き続き小型二輪免許以上が必要となります。
スーパーカブ110も普通免許で乗れる?
では、ハンターカブのベースモデルとも言えるスーパーカブ110のような、他の人気125ccモデルはどうなるのでしょうか。
スーパーカブ110やホンダのPCX、ヤマハのJOG125といった、すでに市場で高い評価を得ている125ccモデルは、この「新基準原付」のベース車両として非常に有力視されています。
つまり、メーカーがこれらの既存モデルのエンジン出力を新基準である4.0kW以下に電子制御などで調整し、「新基準原付」として型式認定を受ければ、それらは普通免許で運転可能なモデルとして市場に登場することになります。
実際に、法改正を検討するにあたり警察庁が実施した有識者会議や実証実験では、スーパーカブ110をベースに出力制御した試作車が使用されました。このことから、多くのバイクファンや業界関係者は、スーパーカブ110を筆頭とする人気モデルが、新基準原付の第一弾として登場することを期待しています。
新基準原付の出力制限と交通ルール
「新基準原付」という新しい乗り物を正しく理解するためには、その「性能」と「ルール」の両面を把握することが不可欠です。たとえ車体のサイズが125ccクラスでも、その実態は現行の50ccバイクに近いものと考えなければ、購入後に大きなギャップを感じることになります。
性能面:出力の違い
上限となる4.0kW(約5.4馬力)という最高出力は、現行のホンダ・タクトなどの50ccスクーターが3.3kW(約4.5馬力)程度であることを考えると、それより少し力強いレベルです。
しかし、現行のハンターカブ(6.7kW)やPCX(9.2kW)といった原付二種モデルと比較すると、その差は歴然です。特に、登り坂での力強さや、幹線道路での追い越し加速といった場面では、明確な性能差を感じることになるでしょう。
ルール面:適用される交通規則
そして、性能以上に重要なのが適用される交通ルールです。新基準原付は、道路交通法上では「原付一種」と全く同じ扱いを受けます。たとえ見た目が立派な125ccバイクでも、公道では以下のルールを厳守する必要があります。
項目 | 新基準原付(普通免許で乗れる) | 現行の原付二種(小型二輪免許が必要) |
---|---|---|
法定速度 | 30km/h | 60km/h (一般道) |
二段階右折 | 義務あり(指定交差点) | 不要 |
二人乗り | 禁止 | 可能 |
第一通行帯通行義務 | あり | なし |
このように、新基準原付は免許取得の手軽さという大きなメリットがある一方で、実際の走行には多くの制約が伴います。特に法定速度30km/hという制限は、車の流れが速い現代の道路環境では大きなデメリットとなり得ます。快適で自由なツーリングを楽しみたいという目的であれば、現行の制度で小型二輪免許を取得し、フルパワーの原付二種モデルを選ぶ方が、はるかに高い満足度を得られるでしょう。
結局ハンターカブは普通免許で乗れるのか
- 現行のハンターカブ(CT124cc)に普通免許では乗れない
- 運転には最低でも小型限定普通二輪免許が必要
- ハンターカブはMT車扱いのためAT限定免許では運転不可
- 2025年4月から新しい免許制度(新基準原付)が始まった
- 新基準原付は普通免許で運転できる
- ただし排気量125cc以下かつ最高出力4.0kW以下のモデル限定
- 現行のフルパワーのハンターカブは新基準の対象外
- 今後ハンターカブをデチューンした新基準モデルが登場する可能性はある
- 新基準原付の交通ルールは現行の50ccバイクと同じ
- 法定速度は30km/hに制限される
- 指定交差点での二段階右折義務がある
- 二人乗りは禁止されている
- 法改正は50ccエンジンの排ガス規制対応が背景にある
- 自由なツーリングを楽しみたいなら現行制度で小型二輪免許取得がおすすめ
- 免許取得費用は普通免許があれば約10万円からが目安
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