MT-09は乗りにくい?その理由と最新型での改善点を徹底解説

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MT-09は乗りにくい?その理由と最新型での改善点を徹底解説

ヤマハのMT-09は、その軽量な車体とパワフルな3気筒エンジンで多くのライダーを魅了してきましたが、ネット上ではMT-09は乗りにくいという声も少なくありません。

特に初期型の過激な特性や足つきに関する不安、そして実際に所有したユーザーのリアルな評価を見て、購入を迷っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、なぜこのバイクが乗りにくいと感じられてしまうのか、その具体的な理由と2024年モデルまでの進化、さらには具体的な対策についても触れていきます。この記事を読めば、MT-09というバイクの本当の姿が見えてくるはずですよ。

ここに注目
  • MT-09が乗りにくいと感じられる構造的な理由
  • 歴代モデルの進化によって改善されたポイント
  • 2024年モデルで劇的に変わった操作性とポジション
  • 自分に合ったセッティングや乗りこなしのコツ

MT-09が乗りにくいと言われる構造的要因を徹底分析

MT-09が乗りにくいと言われる構造的要因を徹底分析
ドメスティックバイクライフ

MT-09が一部で乗りにくいと言われるのには、ヤマハが狙った「エキサイティングな走り」が、裏を返せばシビアな操作感に繋がってしまった背景があります。まずはその正体を詳しく見ていきましょう。

初代モデル特有の過激なドンツキと出力特性の正体

MT-09の心臓部である「CP3(クロスプレーン3気筒)エンジン」は、270度クランクを採用し、不等間隔爆発による強力なトラクションと、高回転域まで一気に吹け上がるドラマチックな特性を持っています。しかし、このエンジンのピックアップの良さが、初期型(2014年〜2016年)においては「過激すぎるレスポンス」として牙を剥きました。

特に初期型を語る上で外せないのが、スロットル操作に対する過敏な反応、いわゆる「ドンツキ」です。低速域でほんの数ミリのスロットル操作に対しても、エンジンが即座に反応して車体を前にはじき出そうとします。

逆にスロットルを閉じれば、強力なエンジンブレーキがガツンとかかるため、街中でのストップ&ゴーでは車体が前後に揺すられ続ける、いわゆる「ギッタンバッコン」な挙動になりやすかったんです。

これは当時の電子制御スロットルのセッティングがスポーツ走行に振り切っていたことや、燃費性能を稼ぐための燃料カット制御が影響していました。

私自身も初めて乗った時は「Aモードは凶暴すぎて街乗りでは使えないな」と感じたのを覚えています。この特性が、初心者やゆったり走りたいライダーにとって、「MT-09は乗りにくい」という第一印象を植え付ける大きな原因となっていました。

柔らかすぎるサスペンションが招く大きな挙動変化

MT-09の設計思想の一つに「モタードライクな楽しさ」があります。これを実現するために、サスペンションのストローク量が一般的なネイキッドバイクよりも長めに設定されているんです。路面の凹凸をしなやかにいなす一方で、この「よく動く足回り」が、操作に慣れていないライダーには不安定さに映ることがあります。

具体的には、ブレーキング時の急激なノーズダイブ(フロントの沈み込み)と、加速時の過度なリアの沈み込みといった「ピッチング挙動」が非常に大きいです。この姿勢変化を積極的に使って曲がるのがこのバイクの醍醐味なのですが、何もしないとフワフワとした接地感の希薄さを感じてしまい、特にコーナーへの進入時に恐怖感を抱く方も少なくありません。

標準設定のサスペンションは、体重が軽いライダーや街乗りメインの想定では少し「バネ感が強い」傾向にあります。これにより、高速道路での継ぎ目を越えた際に車体が落ち着かなかったり、コーナリング中に意図しない挙動が出たりすることが、「扱いにくさ」として認識されてしまうのです。

この大きなピッチングを抑えるには、リアブレーキの使い方や繊細なスロットルワークが必要になるため、ただ漫然と乗っているだけではマシンのポテンシャルを引き出しにくく、結果として「乗りにくいバイク」という評価に繋がってきました。

ハンドル切れ角の少なさが影響する街中での取り回し

ハンドル切れ角の少なさが影響する街中での取り回し
ドメスティックバイクライフ

MT-09で意外と苦労するのが、物理的な取り回しの問題です。特に歴代モデル(初代〜3代目)を通して指摘されてきたのが、ハンドルの切れ角の少なさ。一般的なネイキッドモデルの最小回転半径が2.7m前後であるのに対し、旧型MT-09は3.4mもありました。

この数値が何を意味するかというと、片側一車線の道路でUターンをしようとしても、一回で回りきれずに切り返しが必要になるレベルです。車体自体は非常に軽量(歴代190kg前後)なので押し歩きは楽なのですが、いざ狭い場所で方向転換しようとすると、ハンドルがすぐにストッパーに当たってしまい「えっ、これだけしか切れないの?」と驚くことになります。

ガレージへの出し入れや、狭い駐輪場での切り返しなど、日本の道路事情においては、この「小回りの利かなさ」が日常的なストレスとなり、乗る前のハードルを上げてしまう「乗りにくさ」の象徴となっていました。2024年モデルで改善されるまでは、多くのオーナーが直面する現実的な悩みの一つでした。

長時間走行で気になるシートの硬さと不快な微振動

MT-09は、そのスリムな車体幅を維持するためにシート形状もかなり追い込まれています。これが良好な足つきを生んでいる反面、クッションの厚みが犠牲になっており、長時間のライディングでは「お尻の痛み(通称ケツ痛)」が発生しやすいのが難点です。

また、3気筒エンジンはその構造上、4気筒ほど完全なバランスではないため、特定の回転域(特においしい5,000〜6,000rpm付近)で細かい微振動が発生することがあります。

短時間のスポーツ走行なら気になりませんが、高速道路を使って数時間の移動をするツーリングでは、この振動がハンドルを握る手やステップを通じて足に伝わり、じわじわとライダーの体力を奪っていきます。

シートの硬さと振動の組み合わせは、ロングツーリングを楽しみたいライダーにとって「すぐ疲れる=乗りにくい」という不満点になりやすい部分です。社外品のコンフォートシートや、重めのバーエンドを装着して対策するオーナーが多いのも、このバイクの特徴と言えるかもしれません。

「攻める」時には最高のパートナーですが、「旅をする」という目的においては、少しだけライダーに我慢を強いる部分があるのは否定できません。

独特なライディングポジションと走行風による疲労

独特なライディングポジションと走行風による疲労
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MT-09のライディングポジションは、歴代モデルで「モタード」と「ネイキッド」の中間のような独自のスタイルを貫いてきました。上半身が直立するいわゆる「殿様乗り」は、市街地での視認性が良く、腕に余計な力が入らないためコントロール性は高いのですが、高速走行時には致命的な弱点となります。

カウルやスクリーンを持たないネイキッドバイクという特性に加え、上体が起きているために、走行風を全身でまともに受け止める形になります。時速100kmでの走行は、ライダーにとって常に強い風圧との戦いであり、しがみついているだけで疲労困憊してしまいます。

さらに、旧型モデルではハンドル位置が高く、加速時に体が後ろに置いていかれそうになる感覚もありました。120馬力近いパワーを誇るエンジンに対して、この開放的すぎるポジションは「マシンを抑え込んでいる実感」が得にくく、加速するたびに緊張感を強いられることが「乗りにくさ」や「怖さ」として語られてきたのです。

MT-09が乗りにくいという評価を覆す最新型の進化

MT-09が乗りにくいという評価を覆す最新型の進化
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さて、ここまでは「乗りにくい」と言われる理由を深掘りしてきましたが、ヤマハはこのフィードバックを真摯に受け止め、モデルチェンジのたびに劇的な進化を遂げてきました。特に2024年モデルは、まさにパラダイムシフトと呼ぶべき仕上がりです。

2024年モデルで劇的に改善された最小回転半径

最新の2024年モデル(4代目)における最大の功績の一つが、ハンドルの切れ角拡大です。これまではタンクの張り出しが干渉して切れ角が制限されていましたが、ヤマハはタンク形状を「高意匠プレス成形」という新技術で再設計することで、ハンドルの切れ角を従来の28度から32度へと拡大することに成功しました。

これにより、長年の悩みだった最小回転半径は、3.4mから3.0mへと劇的に短縮されました。

たった40cmの差と思うかもしれませんが、バイクにおける40cmは世界が変わるほどの違いです。これまで切り返しが必要だったUターンがスッと一回で回れるようになり、市街地や狭い路地での不安感はほぼ一掃されました。

この変更は、単にスペックを追うだけでなく、「日常での使い勝手」を重視する日本のライダーにとって、最も歓迎すべき改善点だと言えます。もはや小回りの利かなさを理由に「乗りにくい」と言うことはできないレベルに達しています。

最新の電子制御BSRが低速域のギクシャクを解消

初期型から続いた「ドンツキ」問題も、電子制御の進化によって今や過去のものになりつつあります。2024年モデルには、最新の6軸IMU(慣性計測装置)に基づいた高度なエンジンマネジメントに加え、新たに「BSR(バックスリップレギュレータ)」が搭載されました。

BSRは、シフトダウン時やスロットル全閉時のエンジンブレーキによってリアタイヤがロックしそうになった際、電子制御でエンジン回転数を微調整し、スリップを抑制してくれる機能です。これにより、低速域でのスロットル操作に伴う急激な挙動変化がマイルドになり、驚くほどスムーズな走行が可能になりました。

かつては「乗り手を選ぶ」と言われたMT-09ですが、現在の電子制御は、ライダーの意図を汲み取って操作を補完してくれる頼もしい存在になっています。滑りやすい路面や雨天時でも安心してアクセルを開けられるこの洗練された特性こそが、現代のMT-09が「扱いやすい」と再評価されている大きな理由です。

(出典:ヤマハ発動機株式会社『2024年モデル「MT-09」製品情報リリース』)

前傾姿勢への変更で接地感が増した新しいポジション

前傾姿勢への変更で接地感が増した新しいポジション
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2024年モデルのもう一つの大きな変更点は、ライディングポジションの抜本的な見直しです。ハンドル位置が先代比で約3.4cm下げられ、さらにステップ位置も後退・上方へ移動しました。これにより、従来のモタードライクな姿勢から、より「ロードスポーツ」らしい自然な前傾姿勢へと生まれ変わっています。

この変更がもたらしたメリットは絶大です。

フロントタイヤの接地感が大幅に向上

上体が少し前傾することで、ライダーの荷重が自然とフロントタイヤにかかるようになりました。これにより、コーナリング中にフロントがどこを向いているのかが手に取るように分かり、絶大な安心感を持ってバイクを寝かせることができます。

加速時の安定感と風圧軽減

体を伏せやすくなったことで、強烈な加速の際もマシンをしっかり抑え込むことができ、「後ろに置いていかれる恐怖」がなくなりました。また、自然に風を逃がす姿勢が取れるため、高速走行時の疲労も以前のモデルより明らかに軽減されています。

この新しいポジションは、MT-09の「120馬力・193kg」というハイパワーかつ軽量なスペックを、より安全に、そして直感的にコントロールするために不可欠な進化だったと感じます。

足回りの不満を根本から解決するSPモデルの優位性

もし、標準モデルのフワフワしたピッチング挙動がどうしても気になる、あるいはサーキット走行まで見据えた高次元の走りを求めるのであれば、上位モデルである「MT-09 SP」はまさに「乗りにくさ」への最終回答です。

SPモデルは、標準モデルの弱点と言われたサスペンションを、世界トップクラスのパーツに換装しています。

専用装備もたらされる効果
オーリンズ製リアサス減衰力がきわめて緻密。荒れた路面でもタイヤが跳ねず、しっとりとした極上の乗り心地と安定感を実現します。
KYB製フルアジャスタブルフォーク圧側・伸側の減衰を細かく設定可能。ブレーキング時の沈み込みを抑え、狙ったラインを完璧にトレースできます。
ブレンボ製Stylemaキャリパー指先のわずかな力加減に反応する繊細なタッチ。唐突な効き(カックンブレーキ)を防ぎ、減速操作が楽しくなります。

SPモデルを選ぶ最大の価値は、単に豪華なパーツが付いていることではなく、「路面からのインフォメーションが圧倒的に増える」ことにあります。何が起きているか正確に伝わってくるからこそ、ライダーは自信を持って操作でき、結果として「非常に乗りやすいバイク」へと変貌するのです。

ライバル車のZ900やストリートトリプルとの比較

MT-09を検討する際に避けて通れないのが、ライバル車たちとのキャラクターの違いです。自分にとっての「乗りやすさ」がどこにあるのか、比較してみるとよく分かります。

Kawasaki Z900との比較:安定の4気筒か、刺激の3気筒か

Z900は、4気筒ならではの極めてスムーズで「バターのよう」と称される出力特性を持っています。車重もMT-09より20kgほど重い分、高速道路での直進安定性は抜群。誰が乗っても最初から「あ、乗りやすいな」と感じるタイプです。一方、MT-09はもっと「パキパキ」と動く軽快さがあり、安定よりも「操る楽しさ」を重視しています。

Triumph Street Triple RSとの比較:精密なスポーツ性か、自由自在なモタード性か

同じ3気筒のストリートトリプルは、よりサーキット走行に適したカッチリとしたジオメトリを持っています。MT-09に比べるとピッチング(前後の揺れ)が少なく、常にフラットな姿勢で曲がるのが得意。MT-09は逆に、サスペンションを大きく動かして振り回すような「遊び心」があり、この自由度の高さが人によっては「不安定さ」と感じられるのかもしれません。

結論として、MT-09は「軽さとトルクを武器に、ライダーが積極的にアクションを起こして楽しむバイク」。このキャラクターが合う人にとっては、これ以上なく面白い「乗りやすいバイク」になるんです。

MT-09が乗りにくいと感じる人への最適な対処法

MT-09が乗りにくいと感じる人への最適な対処法
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最後に、もし今あなたがMT-09に対して「乗りにくい」と感じていたり、購入後の不安を抱えていたりする場合の具体的な解決策をまとめます。

1. ライディングモードの「4」または「RAIN」を活用する

2024年モデルなら、モード設定で最も穏やかな特性にしてみてください。初期型のような過敏なレスポンスが影を潜め、驚くほど従順になります。特に雨の日や疲れている時は、このモードにするだけで心の余裕が全く違います。

2. リアブレーキを「おまじない」のように使う

低速走行中やUターン時に、リアブレーキをほんの少し(パッドが触れる程度に)引きずってみてください。これだけでチェーンの遊びがなくなり、アクセルを開けた瞬間のショックが劇的に和らぎます。MT-09ユーザー必須のテクニックです。

3. コンフォートシートや足つき対策

お尻の痛みには純正オプションのコンフォートシートが非常に効果的です。また、足つきが不安な方は、プリロードの調整やローダウンリンクの導入も検討の余地がありますが、ハンドリングが変わるため信頼できるショップに相談するのが一番です。

MT-09は、ただ跨っているだけで目的地に運んでくれるバイクではありません。ピッチングを抑え、荷重を移動し、3気筒の鼓動を感じながら積極的に「操縦」することを楽しむバイクです。その対話を楽しめるようになったとき、かつて「乗りにくい」と感じた部分は、すべて「このバイクにしかない魅力」へと昇華されるはずですよ。

MT-09は、決して万人受けする「無難なバイク」ではないかもしれません。でも、その「乗りにくさ」というレッテルを剥がした先にあるのは、現代のバイクシーンで最もエキサイティングで、自由な走りの世界です。ぜひ一度、お近くのショップで最新モデルに試乗して、その進化を肌で感じてみてください。

※正確な仕様や数値は年式によって異なります。最終的な判断や整備、カスタマイズについては、必ずヤマハ発動機の公式サイトを確認するか、正規ディーラーのスタッフさんにご相談くださいね。

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